Author: Jean-Michel Arnal
Date of first publication: 09.04.2024
プレッシャー/ボリューム曲線の使用は、患者の肺リクルートメントの可能性を評価するための実証された方法です。
ベッドサイドでのリクルータビリティの評価は、自発呼吸がまったくない早発性ARDS患者において、人工呼吸器回路にリークがない状態で行うことができます。[P/V Tool](
注:スタート圧とEnd PEEPに対して人工呼吸器のデフォルト設定(5 hPa)を使用して同じ評価を行うこともできます。
P/V曲線と自動計算された各圧力のボリューム差を示すパネルを選択します(Paw/V + Paw/dVグラフ)(図2および図3)。
これで正規化最大距離(NMD)を計算できます。NMDはパーセンテージで表され、最大距離÷最大ボリュームの式で計算します。
この例では、NMDは次のようになります。NMD = (674/1712) x 100 = 39%
NMD = 41%を境界として、リクルートメントの可能性が高い肺(NMD ≥ 41%)とリクルートメントの達成が難しい肺(NMD < 41%)を区別できます(
図4:
Aさんは72歳で、ARDSで入院しています。
NMD = (1737/2884) x 100 = 60%
この患者では、リクルートメント戦略が奏功する可能性は高いと考えられます。
図5:
Lさんは66歳で、ARDSで入院しています。
NMD = (367/1551) x 100 = 24%
この患者では、リクルートメント戦略が奏功する可能性は低いと考えられます。